「・・・・・何これ」
無理矢理に押しつけたそれを見た彼女から発せられた第一声はひどく冷めたものだった。
その冷淡さ、さすがクールブルースカイだぜっ・・・って感激してる場合じゃなくて。
「プププレゼントっ!」
10月25日。愛しきクールブルースカイにそっくりな彼女の誕生日だ。
何処で個人情報であるそれを知ったのかは聞かないでもらいたい。取り敢えず愛が成せる業だと言っておこう。
クールブルースカイの生まれ変わりに違いない彼女をこの世に生み落としてくれたことを心の底から感謝する。
「それを着て俺におしおき・・・・じゃなくて、悪をやっつけてくれ!」
キラキラと目を輝かせてそう頼んだ。
自身が誕生日プレゼントに選んだのはそのクール☆ブルースカイの変身コスチュームだ。
普段の制服Ver.も捨てがたかったのだがやはり此方にした。
放送が数年前とあって手に入れるのにどれほど苦労したことか・・・・
「・・・馬鹿じゃないの」
「ああああああああっ」
罵倒一言と共に目の前でビリビリとコスチュームが破かれていく。思わず悲嘆の叫びを上げた。さよならマイドリーム。
悲しみにくれている自身を冷ややかな目で一概すると情けの言葉をかけることなく背を向けてこの場を後にしだした。ずきゅん。
「そっ、そんな所も大好きだああああ」
無惨な様の愛しきクールブルースカイのコスチュームを抱きしめながら、後ろ姿ですら冷たさを感じさせる彼女に愛を叫んだ。
愛しのクールガール
(冷たくされるほど好きになる)